夏美さんから返信がきて、これまでの人生で最も動揺しています。
だって、俺を1人の男性として見てくれているんです。
「すぐに返信したら、飢えてる男と思われてします」
「いや、すぐに返信しないと、まめな男と思ってくれない」
俺はどうしていいのかわからなくなってしまいました。

 

夏美さんはワインに興味を持ち始めたばかりということだったので、
フランスやイタリアのヨーロッパ産ワインと、チリなどのアメリカ大陸産ワインなどについて書いてみました。
それから、ワインと合う簡単料理なんかも書きました。
文面は完成したのですが、今から送信して、夏美さんが寝ていたら迷惑を掛けてしまいます。
悩んでいるうちに、時計は深夜を過ぎていたので、結局、翌日にメールしました。

 

夏美さんからは、ちゃんと返信がきました。
「こんな料理とワインが合うなんて知らなかった〜。料理にも詳しいくて、尊敬しちゃいます〜」
これって、メル友と呼んでOKですよね?
毎日、最低1往復のメールのやり取りが続きました。
何となくですが、わかってきたんです。
女性を主人公にして話題を進めることによって、いい流れが続くような気がします。
自分のことは自慢せず、謙遜しながら、楽しい話題を広げていきました。

 

夏美さんからも丁寧なメールが毎回届きました。
俺も新しい発見や、女性の物の見方も初めて知ることができました。
だから、いつメールを送るとか駆け引きなんかは気にせず、楽しいメル友として欠かせない存在になっていったんです。
ちょっと前まで、メル友募集の方法やメル友の作り方で悩んでいたのがウソのようです。

 

ただ1つだけ、俺が気になっていたことがありました。
「俺なんかをメル友にしてくれる女性って、ルックスはどうなんだろう?」という思いです。
ブサメン代表の俺から、写メの交換を切り出すのは、明らかに命取りです。
それに、「出会い系サイトでメル友募集をしている女性って、大丈夫なのか?」とも思ってしまいました。

 

こんな失礼な質問をメールでするのは気が引けました。
そして、かなりのメールを送信するようになったので、ある日、俺は夏美さんにこんなメールを送りました。
「とても楽しいメールを、いつもありがとう。夏美さんのことをもっと知りたいから、よかったらLINEのIDを交換しましょう!」
LINEだったら、金のことを気にせずに、いろんなことを伝えられると思ったんです。
夏美さんからは、簡単にOKのメールが届きました。
まったく問題なくGETできたので、ちょっと拍子抜けでした。
でも、誠実なメールを送り続け、夏美さんの警戒感がなくなったからだと感じました。