レナちゃんに返事をしない日々が続きました。
レナちゃんからはメールが何度も届きました。
「返事くれないけど、忙しいのかなぁ? それとも病気とかしてないよねぇ?」
やはり、レナちゃんは俺のことを好きなんじゃないかと考えました。
でも、1ヵ月後にはまったくメールが来なくなっちゃいました。
恋のはかなさを知った時でした。

 

同時に、恋する楽しさもわかったような気がしたんです。
普通の生活を送っていても、なぜか気持ちがウキウキしているのがわかりました。
好きな女性ができただけで、いつもの生活が楽しく感じたんです。
本当に彼女ができたなら、天国に行ったような気分になると思ってしまいました。

 

それから5年ほど月日が経過しましたが、メル友どころか、新たな恋の気配すら感じないまま、年齢だけが積み重なっていました。
「このままでは本当に一生独身で、悲しい老後だけが待っている」と真剣に考え始めました。
「そういえば、あの時、出会い系サイトがどうのこうの言ってたよなあ〜」
あのキャバクラに行った友人は結婚して、1児の父になってしまいました。
多分、出会い系サイトに手を出す必要がないくらい幸せになっているはずです。

 

俺は、夢のメル友GETに向けて、自力で出会い系サイトを調べてみることにしました。
ネットで「出会い系サイト」「メル友募集」「メル友の作り方」といったワードで検索してみると、果てしない数のサイトが存在していました。
「まあ、試しだから、どこに登録しても大差ないだろう」と思いました。
そこで、「完全無料!」「登録簡単!」を大々的に謳っていた出会い系サイトに登録してみたんです。

 

確かに登録はかなり簡単にできました。
いろんなカテゴリーがあったのですが、最初は「メル友募集」で登録してみました。
すると、10分後には女性会員からメールが届いたんです。
「お兄さんみたいな大人の男性と、メル友から始められたら…」
20歳の女性からのメールでした。

 

その日だけで、20往復くらいのメールのやり取りをしたと思います。
その甲斐あって、翌日の夜にデートすることになったのです。
こんなにあっさり女性とメル友になれて、翌日には直接会えるなんて想像もしていませんでした。
俺の人生が動き出したのを感じ始めていました。

 

翌日、いつもは残業を100%受け入れる俺が、定時には退勤しました。
そして、待ち合わせの場所に30分前に着いて待っていたんです…。
30分経過「約束の時間になったばかりだ」
1時間経過「ちょっと遅れているのかな」
1時間半経過「急な用事ができたのかな」
2時間経過「…、…」
メールをしても返信はありませんでした。

 

自宅に帰り、パソコンでこの出会い系サイトを見てみると、登録していたはずの女性がいなくなっているのです。
さらには1週間後、この出会い系サイトからサイト利用料の請求がきたんです。
金額は20,000円位でした。
その時は傷心しきっていたので、文面の通りに銀行振込をしてしまいました。
振り返ってみると、俺は本名や住所まで登録していないし、なによりも「完全無料」だから利用したのです。
払う必要のない金を支払い、やっとできたメル友は1日で消滅してしまいました。